子どもと読む目の絵本シリーズ

医師がすすめる子どもに「メガネが必要になったら」親子で読みたい本

『メガネをかけたらどうなるの?』
(ほるぷ出版)

医師がすすめる子どもにメガネが必要になったら親子で読みたい本──子どもと読む目の絵本


子どもが近視や遠視になって、視力を矯正するためにメガネが必要になったとき、お子さんにメガネの役割や必要性を正確に説明できるでしょうか?

『メガネをかけたらどうなるの?』は、メガネだけでなく歯の矯正器具や補聴器、義肢など、何か困ったことがあるときに、体と一緒に働いてくれる道具たちを紹介する絵本シリーズの1冊。今回ご紹介する絵本も、メガネを使う人の気持ちや立場を想像しながら、メガネをかけることへの理解を深めることができる本となっています。

この本では、目玉の「ミルミル」とメガネのレンズの「レンレン」がガイドになって、目のしくみやものを見るメカニズム、見えにくくなったらどうするのか、メガネをかけることで見え方がどう変わるのか、そしてメガネのしくみや取り扱い方などを紹介していきます。最後のページには、コンタクトレンズの説明もあります。

小児眼科の専門医が内容を監修しているので、メガネが「見る力」を育て、「見ること」を助ける道具であることが医学的にも正確に説明されています。

小さい子どもにとって、“はじめてメガネをかける”というイベントは、大人が考える以上にドキドキするもの。メガネをかけて学校に行くのが恥ずかしかったり、まわりの友だちの目が気になったりする子もいます。

でも、黒板が見えないときだけメガネをかけるのではなく、遠視などのように、ずっとかけていないと視力が低下していく場合もあります。メガネが必要になったら、“なぜかけるのか”を必ずお子さんにもきちんと説明してあげてほしいのです。

実は、小さいお子さんに読み聞かせる絵本としては、ややむずかしい内容です。でも、小学校高学年以上のお子さんが自分で読むとき、またお母さん、お父さんが“メガネをかけるとどうなるのか”“何のためにかけるのか”をまずご自分が理解して、お子さんにわかるように説明するときには、とても役に立つと思います。

メガネはおもちゃではなく、大切な道具であることを本人に説明するときはもちろん、兄弟姉妹や幼稚園・学校の友だちがメガネをかけ始めたときなどにも、おすすめの1冊です。

監修/宇井牧子先生(CS眼科クリニック院長)
参考文献/
からだとはたらくどうぐたち
『メガネをかけたらどうなるの?』
ハリエット・ブランドル作/中野泰志 総合監修・仁科幸子 監修
(ほるぷ出版、2022年)

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