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目は冷やすか温めるか

目は冷やす?それとも温める?目にいいのはどっち?
症状によっては、選択を間違えると目に悪影響を及ぼすことも‼

目は冷やす?それとも温める?目にいいのはどっち?症状によっては、選択を間違えると目に悪影響を及ぼすことも‼
画像素材:PIXTA

迷う人も多いのではないでしょうか

「疲れ目は、冷たいタオルで冷やすに限る」「いやいや、目はホットタオルでよく温めたほうがいい」。昔から両方の説があって、迷う人も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、目を冷やすのは、子どもでも大人でも“目に炎症が起きている”とき。具体的には、まぶたの手術をした後や、ものもらい(麦粒腫)ができて腫れたり痛みを感じたりしている場合です。炎症が起きているときに温めてしまうと、かえって炎症が悪化しやすくなります。

それ以外の場合は、基本的に目は温めるのが正解です。目が疲れた、目が乾く、結膜炎でもないのに目がかゆい、目やにが出る、ゴミなどが入っていないのに異物感があって目がゴロゴロする──こんなときは、目を温めることで症状が改善するケースが多いのです。

CS眼科クリニック院長の宇井牧子先生に、なぜ目を温めたほうがいいのか、その理由を聞いてみました。

「まつ毛の内側には“マイボーム腺”という脂の出口(開口部)があります。そこから分泌される脂によって、涙に脂のコーティングができることで、目が乾きにくいようにできているのです。ところが、なんらかの原因でマイボーム腺が詰まると、このシステムがうまく機能しなくなって、目がゴロゴロしたり、乾きやすくなったりします」

マイボーム腺


脂は、冷やすと固まる性質があります。目を冷やしてしまうと、脂が固まってマイボーム腺が詰まりやすくなります。そのため、目を温めることによってマイボーム腺の詰まりを解消し、脂が分泌しやすい状態にすることが推奨されています。医学的には“温罨法(おんあんぽう)”といわれ、温めることで血管を拡張させ、血流が増加して代謝を促したり痛みを緩和したりする効果があります。

目を温めるには、いくつかの方法があります。
《目のホットパック》

蒸しタオル

おしぼりサイズのタオルを絞って電子レンジなどで温め、目の上に当てます。そのままではすぐに冷めてしまうので、ポリ袋に入れて、さらに薄手のタオルなどでくるむといいでしょう。ヤケドに気をつけて、何回か取り替えながら目を温めます。

温熱アイマスク

温かい蒸気が出て目を温めるアイマスクが市販されています。40℃程度に温まる効果があり、安全に使用できます。

小豆カイロ

小豆を布の袋に入れて電子レンジで短時間温めて使います。手作りもできますが、市販品もあります。
「どんな方法でも、ホットパックで目を温めている間はものを見ることができませんから、目を閉じて静かにしていることになります。ゲームやスマホを見続けてしまう子どもにとっては、いやおうなく目を休ませる手段にもなるわけです。毎晩、寝る前に目を温めることを習慣にするとよいのではないでしょうか」(宇井先生)

また、同じ理由で、市販のメントールが配合された目薬もおすすめできません。清涼感があるので、目の疲れがとれるような気がしますが、逆効果である場合も多いようです。特に、子どもには刺激が強いので、使わないようほうがよさそうです。
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