新型コロナの影響で子どもの目がいま危ない!

コロナ禍の二次被害が子どもの目に直撃‼
“不要不急”の外出自粛で、外に遊びに行けなくなった子どもの目に起こること

コロナ禍の二次被害が子どもの目に直撃‼“不要不急”の外出自粛で、外に遊びに行けなくなった子どもの目に起こること
画像素材:PIXTA

この先いったいどうなってしまうのか、

まだまだ予測がつかない新型コロナ。
今回は、コロナウイルスの流行が、子どもたちの目を悪くしてしまっているかもしれないというお話です。

コロナのせいで思うように外へ遊びにいけなくなってしまった結果、子どもたちの心や体にいろいろな不調が出ていることを指摘する声があがっています。
そして近ごろ増えている子どもの近視も、コロナ禍が原因のひとつなのではないかと疑われているのです。

子どもたちの目とコロナ禍の関係について、二本松眼科病院副院長の平松類先生に話を聞きました。
平松先生は2020年前半のコロナ第一波襲来のとき、確かに目の不調を訴える人が増えたことを臨床の現場で実感したと言います。
「ただし、その後は多くの人がまた外に出るようになりましたし、子どもの学校も再開されたので、コロナ禍と近視増加が直結するのかどうかはわかりません。しかし、子どもの近視とコロナ禍を結びつけるデータは多少あります。ひとつだけ確実に言えるのは、『外遊びが少ない子は、近視になりやすい』ということ。これはコロナ禍の前から指摘されていて、しっかり検証したデータもあります」

平松先生によると、よく外遊びをする子は目がよく、逆に外遊びが少ない子どもに近視が多いのは、二つの理由があるそうです。
二つの理由
1.外で遠くを眺めながら遊んでいる子に比べ、部屋に閉じこもっている子はテレビや本、スマホなどで手元を見ている時間が長いから。
2.外で遊んでいる子が浴びている太陽の光に、近視の発症や進行の抑制効果があるかもしれないから。
日本のあるグループが積極的に進めている「太陽の光に近視抑制効果がある」という研究にはまだ議論の余地があり、現時点で確実とは言い切れないそうです。
でも、“手元ばかりではなく遠くを見ること”と“太陽の光を浴びること”の両方が重なれば、少なくても目にとって悪いはずはないと平松先生は言います。

これまでコロナの感染者が増加するたびに、人々の行動には制限がかけられ、いわゆる“不要不急”の外出がしにくくなりました。
そうした自粛は大人だけではなく、子どもたちにも呼びかけられます。
今はワクチンの効果もあって感染状況は落ち着き、私たちは以前ほど自宅に引きこもっているわけではありません。
しかし、新型コロナは人類にとって未知のウイルス。
この先、新たな変異株の登場によって再び感染爆発が起こり、これまでよりもさらに厳しい行動制限が強いられる可能性も、考えておかなければならないでしょう。

そこで保護者の方は、“コロナ時代”に成長する我が子に対して、以下の2点を心がけてみてはどうでしょうか。
  • ・近くのものばかりではなく、遠くのものも見させるようにする

  • ・部屋の中でも自宅のベランダや庭でもいいので、太陽の光を浴びさせる

これから何十年も使う子どもたちの大事な目ですから、コロナなんかに負けず、しっかり守ってあげたいですよね。

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